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カロリーナのアトリエ訪問 & 第56回ヴェニス・ビエンナーレ [海外出張記]

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8月も最後の週に入ったとたん、東京はめっきりと涼しくなりました。あんなに耐えきれないほど暑かった夏も、いざ終わってしまうとなると、何だか名残惜しいものですね。

さて、今年の夏休みは、カロリーナ・ラケル・アンティッチの次回展覧会の打合せとビエンナーレ見学を兼ね、久々にヴェネチアに出掛けてきました。以前のブログでも紹介しましたが、カロリーナは現在、吉本ばなな作品のイタリア語翻訳版の装丁の仕事を手掛けており、ジュデッカ島にある彼女のアトリエにて表紙に使われた作品の原画やその他制作中の作品を色々と見せてもらいました。次回日本での展覧会についてもあれこれとアイデアを交換し、これから新作の進捗状況を見ながら少しずつ準備に入ります。展覧会の開催はまだしばらく先になりそうですが、概要が固まりましたら改めてご案内します。


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カロリーナのアトリエにて、吉本ばなな「哀しい予感」イタリア語版とその原画。


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こちらは「キッチン」イタリア語版と、表紙に使われたイラストを描きためたデッサン帳。


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こちらは現在制作中の磁器彫刻のシリーズ。手前にある古い少年楽団の集合写真を参考にしながら、一人ひとり表情豊かに作られていました。


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打合せの後、旦那さんのアウグストの美味しい手料理をごちそうになり、その後彼がディレクションするアートスペースPUNCHを見学。この場所は元々酒の貯蔵庫だったのを改装したもので、どっしりとした古びた壁が何ともいい味を出しています。


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アート・バーゼル香港2014、ほか [海外出張記]

先月末タイに赴く前に香港にストップオーバーし、アート・バーゼル香港やその他のスペースを覗いてきました。近年香港では、ガゴジアンホワイトキューブペースといった欧米の大手ギャラリーの出店が続いていますが、こうした状況を反映してか、昨年に続き二回目の開催となる今回のフェアでも欧米系のギャラリーの出展が目立ち、出品された作品もダミアン・ハーストやミケランジェロ・ピストレット、また一方で張暁剛(ジャン・シャオガン)や曾梵志(ゼン・ファンジ)といった国際的なアートマーケットのスター作家となった中国人アーティストの作品も目立ちました。全245軒の出展ギャラリーの内、日本からもおよそ20軒のギャラリーが出展しており、また海外ギャラリーのブースでも村上隆や名和晃平など日本人作家の作品が多く展示され、その存在感が強く感じられました。

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東京都現代美術館のチーフキュレーター長谷川祐子がキュレーターを務めた 'Encounters' のセクションに展示された宮永愛子のインスタレーション。

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シンガポールのギャラリーiPreciationのブースでは、イエローマンのパフォーマンスで知られるシンガポールのアーティスト、リー・ウェンの個展を開催。実はフェア最終日前日、リー・ウェンは香港城市大学で開かれたシンポジウムに参加後、トイレで流血し気絶した姿で発見されるという事件が起き、翌日にはSNS上で様々な憶測が飛び交いました。ちなみにリー・ウェンは、今年の六本木アートナイトで人気を博した円形のピンポン台 'Ping Pong Go-Round' の作者でもあり、当フェアでもこの作品には大きな人だかりができていました。


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Singapore Art Week 2014 [海外出張記]

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マリーナベイサンズで開催されたArt Stage Singaporeの会場風景。

シンガポール出張より戻って参りました。先週シンガポールでは、アートフェアArt Stage Singaporeの開催に合わせて、数々の展覧会やアートイベント、オークション等が行なわれました。とても全ては回りきれない数でしたが、二日半の間に駆け足で巡った様子を紹介致します。


今年4回目を迎えたArt Stgae Singaporeは、Art-U roomが出展した2011年の初回時に比べて随分フェアとして定着した印象を受けました。今回のフェアの最大の特徴は、これまでのギャラリー単位のブース展示に加え、「中国」「インド」「東南アジア」という風に、国/地域ごとに「プラットフォーム」と呼ばれる展覧会スペースが設けられたこと。フェアのキャッチフレーズである「WE ARE ASIA.」のスローガンと共に、目下世界中で乱立気味のアートフェアの中にあって、アジアの現代美術に特化した姿勢を示し、競合するアートバーゼル香港ほかのフェアに対して一層の差別化を図ろうとする主催側の意図が強く感じられました。


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「東南アジア・プラットフォーム」に展示されたWah Nu & Tun Win Aungによるインスタレーション。昨年グッゲンハイム美術館での「No Country」展に出展された作品の別バージョン。

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チェンマイ ー チェンライ ー バンコク [海外出張記]

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バンコクのチュラロンコーン大学での展覧会オープニングに立会った翌日早朝、カミン並びにナムトン・ギャラリーのオーナー、ナムトン氏と共にチェンマイへと向かいました。現在カミンとは、'Before Born After Death'(生前死後)というドクロをモチーフとした彫刻シリーズのプロジェクトを進行中で、三年前に制作を開始したこのシリーズもいよいよ完成間近。制作状況を確認すると共に、お披露目となる展覧会日程の打合せを行ないました。また、ちょうどその週末には、チェンライでArtBridgeという新しいアートスペースのオープニングがあったのでそちらへ出掛け、慌ただしいながらもとても充実したタイ北部出張となりました。詳細は下の続きにて。


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アヌさん訪問記(ハウホの島) [海外出張記]

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早めの夏休みを兼ねフィンランドへ行ってきました。ちょうどラップランドから戻ってきたアヌさん&旦那のユッカさんとヘルシンキで落ち合い、100キロ少し北方にあるハウホという町へ。そこには湖に浮かぶ島に二人のお気に入りのサマーハウスがあり、魚を捕まえて薫製にして食べたり、ボートで近所の村祭りやフリーマーケットを訪れたり、はたまた真夜中にサウナに入って湖で泳いだりと、数日間ながら本格的なフィンランド式のヴァカンスを味わう事ができました。こうした心に余裕のある環境にいるからこそ、アヌさんの作品に見られるような遊び心溢れる発想が生まれてくるんだなぁ、と改めて感心した旅でした。旅のダイジェストは下の続きからどうぞ。


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ヘルシンキからまず向かったのはヒューヴィンカーという町。保養地としても知られるこの町では毎夏恒例のアートイベントが開催されていて、アヌさんも招待作家として展示していました。今年のイベントのテーマは「Sense of wood」ということで、会場の一つであるとても趣のある木造の建物の一室に、木や森に関連するアヌさんの楽しい作品が並んでいました。

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そうだ チェンライ、行こう。 [海外出張記]

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シンガポールのフェア閉幕後、バンコク経由でチェンマイへ。当初カミンと昨年のパイに続いてチェンカーンに小旅行するつもりでしたが、カミンに急にインタビュー等のアポが舞い込んだため予定を変更し、友人のアーティストアンクリット・アッチャリヤソーポンが住むチェンライを訪ねてきました。

早朝チェンマイの町外れにあるバスターミナルからバスに乗り込み、山道を越え2時間半程でチェンライに到着。実はこのルート、20年程前にバックパーカーで初めてタイを旅した時に採ったルートですが、車が良くなったのか道路が良くなったのか、驚く程あっさりと到着しました。バスの料金は、エアコン無し、エアコンあり、そしてゆったりシートのVIPカーの三段階ありますが、今回は奮発してVIPカーに搭乗(といっても片道700円位)。各座席には液晶モニターが付いていて映画も見れ途中軽食のサービスもあり!それに比べ昔乗ったエアコン無しのバスは、狭い座席にぎゅうぎゅう詰めで、途中幾度かメシ休憩で停車したような。休憩所でトイレ(大)に行ってる間に乗っていたバスが発車し、必死のパッチで追いかけた思い出があります。

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Art Stage Singapore 2011 [海外出張記]

2週間のシンガポール・タイ出張より戻って参りました。短期間に多くの人や物事と出会いまだ頭の中が混乱気味ですが、まずは前半シンガポールの報告から。

この度参加したアート・ステージ・シンガポールは今回が初開催となる新しいアートフェア。プレス発表当初から、現時点でアジア圏で最も成功している香港国際アートフェアに対抗し、現代アートのハブ都市としての覇権を争うべくかなり戦略的にプランニングされたフェアだという印象を受けました。ディレクターにアート・バーゼル等のディレクションで経験豊かなロレンツォ・ルドルフ氏を起用したことには、マイアミに次ぐ成功例をつくり出そうという意志が感じられました。

会場となるマリーナ・ベイ・サンズはシンガポールの新たなランドマーク施設。同敷地内には昨年オープンして話題になったカジノの他、3棟の高層ビルの上に空中庭園を冠した高級ホテル、有名ブランドショップが軒を連ねるショッピングモール、美術館、劇場、そしてフェアの会場であるコンベンションセンター他が完成されたばかりの姿で偉容を誇っていました。

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Art Stage Singapore 出展中 [海外出張記]

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現在Art-U roomは、シンガポールで開催中のアートフェア Art Stage Singapore に出展しています。今回が初めての開催となるフェアですが、展示されている作品も全般に質が高く、アジア圏の勢いのある作家の作品を中心に大変見所の多いフェアとなっています。連日連夜のパーティーや会食でブログの更新もままなりませんが、フェア終了後改めて詳しく内容を紹介したいと思います。

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タイ出張記(バンコク編) [海外出張記]

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バンコクのシーロム・ガレリアにあるTang Contemporary Artで開催中のカミン・ラーチャイプラサート個展 '... Wrong Place'(間違った場所)展示風景。スペース中央には、造花が敷き詰められた花畑にピンク色に塗られた二頭の水牛の彫刻が向き合う様に配置され、周囲には前作 'Sitting' の続きとなる大型の木彫が所々に置かれています。

このインスタレーションの出発点となったのは、カミンの友人ソムポックさんが描いた一枚の絵。その絵には、花畑の中を駆ける一頭の水牛が素樸派風のタッチで描かれていて、ある僧侶との出会いを通して仏教思想の叡智に目覚めたソムポックさんが、それまで「間違った場所」に真実を求めていた過去の自分の愚かしさを寓意的に描いたものだとのこと。本来草原や沼地に暮らす水牛は、色とりどりに咲き誇る花畑のまっただ中では食べるべき草を見つけることができずにさ迷うしかないという意味が込められています。

ところでこの絵を見たカミンは、描かれた水牛の立場を現在の世界情勢に重ね合わせ、今日のグローバル化された消費社会の中で我々は「間違った場所」に置かれているのではないか、との問いを本展のインスタレーションを通して投げ掛けています。世界的な景気後退や環境破壊に伴う自然災害、文化的アイデンティティの喪失や衝突等、昨今相い次いで起こっている事件や出来事は、これらの問題に対して根本的に「正しい」解決策が採られていないことが原因ではないか?正に現在バンコクで起こっているデモの騒乱もまた、こうした世界の歪みから生み出された一つの現象であるように思われました。

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■ Kamin Lertchaiprasert: ...WRONG PLACE
会 場:Tang Contemporary Art - Bangkok  Silom Galleria B-28, 919/1 Silom Road, Bangkok
会 期:2010年4月18日〜5月29日


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