カミン・ラーチャイプラサート活動状況 [Kamin Lertchaiprasert]
タイのアーティスト、カミン・ラーチャイプラサートの最近の活動状況をご紹介します。
まず最初は、カミンを中心にチェンマイ在住のアーティストやアート関係者が立ち上げた'ART for AIR'というイベントの情報です。最近の報道で、世界で「最も大気汚染が深刻な都市」ランキングで、チェンマイが1位に立ったという不名誉なニュースが流れましたが、近隣地域での焼畑農業等の影響で年々悪化する大気汚染は、現地にて深刻な社会問題となりつつあります。この問題に対して、世間の関心をより一層高め、異分野の専門家による協働を通して解決策を見出す契機となるべく立ち上げられたのが、この'ART for AIR'。2021年の初回に続き、現在2回目のイベントが開催中で、チェンマイの各所の美術館やギャラリーにて関連した企画展示やセミナー等が行われています。
今年3月のオープニングイベントで行われたシンポジウムの模様。左端でマイクを持つのがカミン。
前回2021年の 'ART for AIR'にて展示されたカミンの作品 'We breath in the same air'。骸骨や象の姿が彫られたジャックフルーツの木の傍に、`Our House is On Fire'と書かれたプラカードを掲げる環境活動家グレタ・トゥーンベリの等身大のブロンズ像を配置したもの。
こちらはバンコク・アート・ビエンナーレ2022に出品されたカミンの監督作品'Bangkok is floating, no gabage'の一場面。地球温暖化の問題が、仏教的慈愛の思想により解決されたとする40年後の架空の世界で、タイに隠居した初老のグレタ・トゥーンベリと子象のアバターの間で交わされる対話を収録したもの。
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Facebookサイト:https://www.facebook.com/artforaircnx/
NIKKEI ASIA掲載記事
https://asia.nikkei.com/Life-Arts/Arts/Thai-artists-bring-creativity-to-fight-against-pollutionまた、かつてカミンのアトリエがあったチェンマイ郊外の建物が改装され、カミンが行う別のプロジェクト'31st Century Museum of Contemporary Spirit'のオフィスとして、昨年秋にリニューアルオープンしました。そちらのスペースでは、今月より個展'No reference conditions'が開催されており、マルセル・デュシャンへのオマージュとなる新作'Global Warming'の他、旧作を交えた展示がなされています。
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■ Kamin Lertchaiprasert 'No reference conditions'
Facebookサイト:https://www.facebook.com/31century会 期:2023年4月10日〜5月30月
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