カミン・ラーチャイプラサート 'Before Birth, After Death (Sculpture)' レセプション [Kamin Lertchaiprasert]
バンコクのナムトン・ギャラリーにて開幕したカミン・ラーチャイプラサート個展 'Before Birth, After Death' (Sculpture) のレセプションパーティーに出掛けてきました。香港経由でタイに到着するなり戒厳令が出されるというタイミングの悪さでしたが、幸い滞在中には大きな混乱もなく街中は普段とほとんど変わらない雰囲気でした。24日に行なわれたレセプションは、前々日に夜間外出禁止令が出されたため急きょ時間を繰り上げての開催となりましたが、そのような状況のもとにも関わらず驚く程大勢の方が来場されました。実はカミンと前日に「誰も来ないのではないか」と、心配していたのが杞憂に終わり、多くの方と再会したり新たにお知りあいになれてとても楽しいひと時を過ごしました。
大勢の来場者に囲まれ挨拶の辞を述べるするカミン。いつもカミンの展覧会のオープニングに来られるコレクターやアート関係者たちに加え、今回は若い世代のアーティストや美大生の姿を多く見掛けたのが印象的でした。
天井から吊り下げられ、ゆっくり回転するドクロの彫刻は、近付くと更に小さな千個余りのドクロのオブジェで構成されています。このドクロはエンジンオイルが入っていたプラスティク容器等をリサイクルして作られたもので、一つ一つの額の部分に、カミンが日々の瞑想と考察から得た短いフレーズが描かれています。
壁面には一面、5年以上にわたり日記の様に制作されてきたドローイングが並べられています。このシリーズには、日々の出来事の記録として新聞記事や手紙、飛行機のチケットや買物のレシート等がコラージュされ、その上にそれらの出来事に対する省察をまとめた言葉とドクロの輪郭が描かれています。上の写真では、一昨年に新潟の「水と土の芸術祭」に参加した際の地図やチラシが見られます。
別室では、前回の展覧会で展示されたペインティング2点と、4年掛りでついに完成した楽焼とブロンズのドクロの彫刻それぞれ12体の一部が展示されています。今秋Art-U roomで開催する展覧会では、こちらの楽焼とブロンズの彫刻を展示する予定です。12のイメージの中には既に完売となってしまったものもありますが、ご関心のある方にはイメージと詳細をお送り致しますのでメール等にてお問い合わせください。
*ナムトン・ギャラリーのFBサイトにて、今回の展示の更に詳しい写真が多数掲載されています。
今回二回目の開催となるこのフェアには、約20のギャラリーや団体が参加。こちらの部屋ではチェンマイでGallery Seascapeを運営するアーティストTorlarp Larpjaroensookが展示。
こちらはバンコクのH Galleryの部屋。家具を取っ払い直接窓ガラス全面にビルのシルエットを浮かび上がらせたインスタレーションを展示。手前はキュレーターのブライアンさん。
時間は前後しますが、バンコクに行く前に立ち寄ったチェンマイでは、カミンの旧友のアーティスト、タイウィジット・ペンカセムソンブーンさんの自宅兼アトリエにお邪魔してきました。タイウィジットはカミンと同じくシラパコーン大学の版画科を卒業し、廃材を組み合わせたユニークな家具や彫刻で特に成功を収めました。最近は特に平面作品の制作に力を入れているとのことで、長年にわたるおびただしい数のドローイング作品を見せて頂きました。
アトリエのタイウィジットさん。訪ねた時はちょうどアトリエの拡張工事中で、完成後には更に大きいサイズの絵が描けると喜んでいました。
自身で設計された建物には、鯉が泳ぐ池があったり屋根裏の隠れ家のような空間があったりとわくわく感満点の作り。庭にもあちこちに自分でデザインした植木鉢や枯れ葉を溜める人型のオブジェ等が置かれています。
以前チェンマイ市内にあった伝説のデザインショップ'MO'の内装を手掛けたのもタイウィジットさん。残念ながら今は無くなったそのショップを彷彿させるオブジェの配置。
タイウィジットさんの愛犬。マンゴーが美味しいこの季節にタイで欠かせないおやつ「カオニャオ・マムアン」をじっと狙っています。
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