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カミン in 水と土の芸術祭 [展覧会 / 他会場]

先週末開幕した「開港都市にいがた 水と土の芸術祭」にカミン・ラーチャイプラサートが参加しています。オープニングのために来日したカミンは、アサヒ・アート・フェスティバルの招きで急遽週末に東京でもトークを行なうことになり、翌日再び新潟へ戻るカミンに同行して足早に芸術祭を訪ねてきました。

カミンが今回行なっているのは「31世紀こころの美術館 in 新潟」。これは彼が以前「金沢アートプラットホーム2008」に参加した際に行なったプロジェクトの延長線上にあるもので、地元の方々に新潟市内で自分にとって思い出深い場所をインタビューし、その理由をビデオや文章の形で記録していくもの。芸術祭の会期中もインタビューは続けられ、最終的に366人分の答えが集まった時点で一冊のガイドブックとしてまとめられる予定です。


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展示室内にてボランティアスタッフの方(左)と打合せを行なうカミン(右)。壁に貼られた大きな地図には、インタビューで採集された「思い出の場所」がピンでマッピングされていきます。


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こちらはインタビューの用紙を掲示するコーナー。スタッフの方のお話によると、普段はシャイな新潟の方々も、自分にとって大切な「思い出の場所」という質問に対しては皆さんとても積極的に答えてくださるのだそうです。


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メイン会場がある万代島旧水揚場は、つい数年前まで海産物の水揚げや競りが行なわれていた場所とのことで、窓の外には雰囲気たっぷりな昔ながらの漁港の風景広がっていました。


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この会場で一番迫力があったのは、大かまぼこと呼ばれる巨大倉庫全面に展開された廃墟のようなインスタレーション。ミュージシャンの大友良英さんと演出家の飴屋法水さんのコラボレーションによるこの作品は、一見混沌と物が散乱している様に見えながら細部にまで緻密な仕掛けがなされていました。


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こちらは小かまぼこと呼ばれる建物の2階にあった写真家梶井照陰さんの展示。新潟生まれの梶井さんが、現在僧侶して住んでいる佐渡島をテーマとしたシリーズで、厳しい自然の中に生きる人々の暮しが衒いなく写し出されていてとても印象的でした。また他にも、信濃川流域の風景を集めた吉原悠博さんの映像作品「シビタ」といい、今回見た中では地元作家さんの作品に印象深いものが多かったように思えます。


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メイン会場の入り口で迎えてくれるのは、屋上に「アジト」と書かれた看板が回転する何やら怪しい建物。wah documentによるこの作品は、元々港湾関係者の事務所や休憩所として使われていた建物を、おもしろ楽しく改装したもので、内部は見てのお楽しみ。


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屋上庭園から下の駐車場を見下ろすと、そこには冨井大裕さんの作品「王様と私達」。


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この日は全国的な真夏日で、新潟の最高気温も猛暑日ぎりぎり手前の34.9度を記録。 南国タイ人のカミンも、たまらず帽子を買い求める程の厳しい日差しでした。そうした中で格好の納涼スペースとなっていたのは、信濃川岸に建てられた王文志さんの竹のドーム「浴火鳳凰」。今回は残念ながらメイン会場近辺の作品しか見ることができませんでしたが、会期が12月24日までと長いので、今月末より始まる「大地の芸術祭」と合わせて、ぜひまたもう一度訪れればと思っています。


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