「つむじ風食堂の夜」 [文学]
皆さん、季節によって読み返したくなる本ってありませんか?例えば僕の場合、夏になると本棚から引っぱり出してくるのは湯本香樹実の「夏の庭」やよしもとばななの「TUGUMI」、それに山田太一の「異人たちとの夏」等。そしてどうやら朝晩涼しくなってきたこの季節に読みたくなるのは吉田篤弘の「つむじ風食堂の夜」。ひと晩で一気に読み返してみたけどやっぱり面白い。人工降雨を研究しているという男を主人公に、とある街角の食堂に夜な夜な集う一癖ある人々の人間模様を描いたものだけど、どこか懐かしくてしみじみとした雰囲気の中、思わず吹き出してしまうような場面があったり、急に「宇宙の果て」について哲学的な考察が始まったり…。続けて吉田篤弘さんの他の作品も何冊か読んでみましたが、今のところ一番のお気に入りは「百鼠」に収録されている「到来」という短編。第一章という形で終わっているので、ぜひ続きを読んでみたい気がします。
あと最近読んだのは堀江敏幸の「めぐらし屋」と「雪沼とその周辺」。時々思わず「上手いっ」と唸ってしまう様な見事な文章でした。読書の秋も間もなく本番。皆さんも何かお薦めの本がありましたらぜひ教えてください。
ラインナップ、秋の入り口の匂いがします。
梨木香歩さんの『家守綺譚』もきっとkiyoさんのお気に召されるかと思います。
京都の、100年と少し前の、植物と季節と文士志望のお話。
秋が深くなったら、湯本香樹実さんの『ポプラの秋』も。
などと唐突に失礼いたしました~
by kihara (2010-09-20 10:38)
kiharaさん、コメントありがとうございました。
「家守奇譚」何だかそそられる内容ですね。早速本屋でチェックしてみます!あと、「ポプラの秋」は以前読みました。確かおばあさんと孫娘の話でしたっけ?もう一度読み直してもいいかな。
他にもお薦めの本があったらぜひまた紹介してください!
by kiyo (2010-09-21 12:50)
またまたタイに行ってきます!
持ってく本を探してたので、嬉しいです。探してみます。
秋っぽくないけど…おすすめというか、定番?
私はカポーティが一番好きです。
by kedama (2010-09-22 02:44)
Kedamaさん、またタイですか。羨ましい…。
旅行中の読書もいいものですよね。旅のペースと波長が合う本だったら、妙に文章が身に染みてきたり。
それでは気を付けて行ってきてください!
by kiyo (2010-09-22 20:41)
kiharaさん、『家守綺譚』昨日読み終わりました。冒頭からグッと引き込まれ、どんどん続きを読みたいのだけど、一気に読んでしまうのが何だかもったいなくて少しずつ読みました。きっとこれからも折々に読み返す大切な一冊になるでしょう。こんな素敵な本を紹介して頂き本当にありがとうございました!
by kiyo (2010-09-28 19:19)
家守綺譚、気に入られたようでよかったです。
素敵なものごとの共有って、うれしい。
ギャラリストさんの醍醐味でもあるのでしょうね。
最近知ったのですが「続・家守綺譚」が、YomYom(新潮の文芸誌)に時々載ったりしているそうです。
ひとつづつ読むのも、愉しみが続いてよいものだろうなぁ。
堀江敏幸さんの「めぐらし沼」をアマゾンでポチ!しました。
本をめぐる数珠つなぎ。秋です。
by kihara (2010-10-01 13:26)