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カロリーナの新作版画が到着しました。 [Carolina Raquel Antich]

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「抱擁」2019年、シルクスクリーン9版、Ed.50、イメージサイズ34x25cm、シートサイズ49.8x34.8cm


カロリーナ・ラケル・アンティッチより、新作のシルクスクリーン作品が届きました。この作品は、カロリーナにとって初めてとなる版画作品で、ヴェニスにある版画工房ファラーニ・ヴェネチアにて、この夏制作されました。


ファラーニ・ヴェネチアは、1968年にフィオレンツォ・ファラーニによって開設されたシルクスクリーン専門の版画工房で、1970年開催の第35回ヴェニス・ビエンナーレではイタリア館の中に工房を構え、世界各国のアーティストたちとの協働作業を行いました。その後もイタリア内外の200名近いアーティストとのコラボレーションを重ね、その中にはバウハウス最後の巨匠と呼ばれるマックス・ビルから、最近ではアメリカのストリートアーティストOBEY(シェパード・フェアリー)といった名前が連なっています。現在では、2代目のジャンパオロ・ファラーニが運営を行い、引き続き作家のエディション作品の刷版を行うほか、一般向けのワークショップや展覧会等のイベントも開催しています。


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今回シルクスクリーンに初挑戦したカロリーナは、2011年に描いた同名のアクリル作品をベースに、ファラーニ氏の協力を得ながら製版を進め、最終的には、当初予定していた5版を大きく上回る9版を用いた作品を完成させました。シルクスクリーンというと、アンディ・ウォーホルやキース・ヘリングらのカラフルでポップな作品が思い浮かびますが、出来上がったカロリーナの作品は、どちらかというとリトグラフに近いような繊細な階調を持ちしっとりとした印象を受けます。また、こちらを向いた少女の表情は、原画のアクリル画ではどことなく寂しく不安げに見えるのが、版画作品の方ではほっこりとした柔らかい雰囲気が醸し出されているように思えます。(少女の両頬の部分に、手彩色で薄く紅色が入れられているからかもしれません。)


こちらの作品は、Art-U room Online Storeにて販売を行なっています。


実物はギャラリーにてご覧頂けますので、ご購入をご検討の際は事前にお電話かメールにて予約の上お越し下さい。


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手前左は原画となったアクリル画の「抱擁」。その右は、左の作品を表紙デザインにアレンジした吉本ばななの「哀しい予感」イタリア語版。奥が今回完成したシルクスクリーンの版画作品。



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