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見応えあり!チャン・ユンチア「Second Life」 [展覧会 / 他会場]

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現在クアラルンプールにて開催中のチャン・ユンチア個展「Second Life」、見て参りました。青い三角屋根が特徴的なマレーシア国立美術館内の会場に着いてまず目に入ったのは、第3回福岡アジア美術トリエンナーレ(2005年)でも展示された「追悼の刺繍」。思い返せばこのトリエンナーレのオープニングの後、福岡アジア美術館のボランティアスタッフの方の案内で、一緒に天神にラーメンを食べに行ったのがユンチアとの最初の出会い。あれからもう15年近く経ったのかと思うと感慨深いものがあります。互いに気が合ったのかその後も交流が続き、3年前にはようやくArt-U roomでの個展「水域」を開催することもできました。


少し話がそれましたが、メイン会場に入ると、ずらりと並んだ作品にしばし圧倒されます。ユンチアがまだMIA(マレーシア芸術学院)の学生だった頃の作品から近作まで、選ばれた100点以上もの作品が展示され、まさに半回顧展と言うにふさわしい内容でした。用いられた素材も技法も多種多様で、細部まで細かく描き込まれたモノクロの油彩画や大量の切手をコラージュした作品、貝殻や木の葉、動物の骨といった自然の素材にペイントした作品など。自身の記憶や内省を反映した作品や、架空の物語、マレーシアの歴史や体制に言及した作品など、扱われたテーマからもユンチアの関心の幅広さが伺われます。



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入り口正面には2点の自画像。左手のモノクロの油彩画は、近付いてみると風景や人物、動物で構成されているの分かるトロンプ・ルイユの手法で描かれた作品。右側上の作品は、無数の羽アリの羽根をガラスに貼り付けて作られている。


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会場風景。一昨年札幌のレジデンス・プログラムS-AIRに参加した際に制作された、帆立貝の貝殻にペイントした連作「小樽寓言」も展示されていました。



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こちらは2008年に同じく札幌のS-AIRに滞在した際に描かれた作品の一部。このモチーフは、ヤマト運輸のロゴマークを参考にしたとのこと。他にも様々な企業のロゴに用いられている、架空の生き物だけで構成された作品もありました。



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こちらは2012年にインドのレジデンス・プログラム1 Shanthi Roadに滞在した際に制作された作品「欲望の植物学」の一部。バンガロールの植物園で拾った本物の葉っぱを切り抜きグワッシュで彩色したもので、先の「小樽寓言」と同様、全体で一つの物語となっています。また、裏側から見ると、影絵のようにシルエットだけが浮かび上がるようになっています。


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会場で待ち合わせたユンチアと、ユンチアのパートナーで本展のキュレーションを行なったミンワさんと記念撮影。この後お宅にお邪魔し、二人の愛犬の唐三彩とも再会できました。



上に紹介した作品以外にも、切手を素材にした作品ほか素敵な作品が多くあったのですが、見るのに精一杯で写真を余り撮れませんでした。こちらのサイトに展示作品の写真がたくさんアップされていますのでご興味のある方はぜひ!
http://www.theedgegalerie.com/photo-gallery/chang-yoong-chias-second-life

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チャン・ユンチア「Second Life」
会 期:2018年11月26日 〜 2019年1月31日  *会期は2月24日まで延長されました。

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