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ペナンにてチャン・ユンチアのトークイベント開催 [Chang Yoong Chia]

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マレーシアのアーティスト、チャン・ユンチアのトークイベントが今週末7月12日にペナン島のゲストハウスSINKEHにて開催されます。

ユンチアはこれまでにヒエロニムス・ボスやブリューゲルを彷彿させる緻密で幻想的な絵画や、卵殻や動物の骨にペイントを施したオブジェ、また最近では切手を素材としたコラージュなどを発表しており、日本でも第3回福岡アジア美術トリエンナーレ(2005年)、札幌S-AIRのレジデンスプログラム(2008年度)に参加しています。


普段はクアラルンプールのアトリエにて制作を行っているユンチアですが、昨年ペナン島にて開催されたアートプロジェクトに参加し、その折に現地で彼と落ち合うことができました。そのプロジェクトとは 'Re:engage: The People's Court' と題されたもので、1950年代に建てられたペナン初の公団住宅を舞台に、滞在作家と住民の交流を通してコミュニティーの再生と活性化を図るというものでした。

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'Re:engage'プロジェクトが行なわれた公団住宅「生活公市」。住人の多くは、この団地が建てられた当時から住み続けている華人ディアスポラ系の人々で、昔ながらの職人仕事に従事している方が多いとのことでした。

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団地の中の空き部屋が、作家のアトリエとして用いられていました。こちらはユンチアが制作を行っていた部屋。昔の住民の名簿等を基に、漢字を素材とした作品を作っていました。こちらを向いて笑っているのは別の滞在作家レイホンさん。このプロジェクトの企画者リー・チアニーさんにもお会いできましたが、彼女は国際交流基金が開催したキュレーターのためのワークショップに参加し、今回のプロジェクトを実現することができたとのことでした。

今回のトークの会場となるSINKEHにも、その際ユンチアに案内してもらって訪れましたが、イギリス植民地時代の古い建物をリノベーションしたお洒落なゲストハウスで、ワークショップやレクチャーを行なえるスタジオと展示ギャラリーも併設されていました。

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SINKEHのギャラリースペースで行なわれていた展示の様子。

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カウンターの中にいるのがオーナー氏。確か陶芸作家であると伺いました。ちなみにSINKEHというのは福建語で「新客」、19世紀から20世紀にかけて中国からペナンに渡ってきた新参者を意味する言葉だそうで、貿易商から職人、肉体労働者まで多種多様な移民たちによって形成されたペナンの成り立ちが良く表されていると思います。


ペナンには3日程滞在しただけですが、西洋、中国、マレー、インドほか様々な文化がミックスし、時を経て熟成したような独特の雰囲気があって、とても印象深い経験をしました。料理もバラエティーに富んでいて美味しかったし、少し足を伸ばせばビーチや森の中のトレッキングコースもあるし。機会があればぜひ再訪したい場所がまた一つ増えました。

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世界遺産ジョージタウンの味がある古い町並み。

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桟橋にそって同姓の一族の家が並ぶ水上集落クラン・ジェティにて、ムスリムの花嫁さんに遭遇しました。



7/24 追記

実は昨秋のペナン滞在中ユンチアに、個人的なコレクション用として絵を1点描いてほしいと頼んでいたのですが、今月に入ってその絵がついに完成したと連絡あり、昨日無事にroomに到着しました。その絵は何と、先のペナン訪問時の出来事を基にしたもので、ユンチアに案内して連れていってもらった海辺のシーフードレストランでの夕食の想い出が題材となっています。

古くから地元の人たちに人気があるというそのレストランは、海珠嶼大伯公廟という由緒ある中国寺院に隣接していて、そのテラス席でとびきり美味しい蟹や海老を皆で夢中になって食べていたら、突然激しい雷鳴とともに猛烈なスコールが降り注ぎ始めました。慌てて店内の席に移動したら今度は急に停電になり、暗闇の中で遠く雷光を眺めながらも楽しく食事を続けました。まさかその時の情景が、こんな素敵な絵となって届くとは、、

なお、来年前半辺りにArt-U roomにてユンチアの個展を開催すべく現在諸々調整中です。詳細が固まりましたらこちらのブログでもご案内しますのでどうぞお楽しみに!

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Chang Yoong Chia 'Cat Temple Crab Feast'(廟貓啖蟹)
2015, oil on canvas, 85x133cm (diptych) 

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