ピナリー・サンピタック "Body Borders" [Pinaree Sanpitak]
タイ出張より戻って参りました。バンコクの3会場にて開催されていたピナリー・サンピタックの個展 "Body Borders" は、それぞれ異なる雰囲気を持つ会場毎に、絵画、立体、サウンドインスタレーションといった作品が展示され大変見応えがあるものでした。会期中には各会場にて学生の見学会やワークショップも開かれ、彼らの反応を見ることはピナリーさんにとっても貴重な経験となったとのことです。それにしても昨年末にroomで個展を開催した時点ではまだ会期も展示内容も確定していなかったのに、短期間にここまで仕上げたピナリーさんの実行力にいつもながら敬服します。
最初に訪れたのはシーロム通りとサトーン通りの間にあるH Gallery。この会場では昨年のroomでの個展「紙の痕跡と空飛ぶ立法体」でも展示した籐編みの立体が展示されていました。いくつか積み上げられているのは、盲学校の学生によるWSを行なった際に学生が積み重ねたものをそのまま残してあるのだそうです。
続いて訪れたのはチュラロンコーン大学の図書館棟の7階にあるアートセンター。一瞬「あれ、何もないぞ」と、天井に目を向けると何やら無数にぶらさがっているものがある。
近寄って良く見てみると、ぶら下がっていたのは折り紙でできた大小の羽根風船と、所々にガラスのオブジェ。また、一定区画毎にセンサーも設置されており、その下を歩くと区画毎に違った音楽が流れるようになっています。
スケール感が分かるように人物入りで。音楽は全部で何種類あるのか分かりませんでしたが、様々な打楽器の上にお経風の合唱が重なるサウンドが特に印象的でした。
その晩はピナリーさんの家で、今回チュラ会場でのオープニングの際にトークを行なった建築家のラチャポーンさんらと共にディナーを頂き、翌日最後の会場100 Tonson Galleryへ。自然光の入る素敵な空間で大型のタブローの展示。
1月のArt Stage Singaporeでも一緒だったオーナーのエイさんと近況を交換していると、見学に訪れたインターナショナルスクールの学生の一団が。常々聞かされる話ですが、タイは日本同様まだまだ現代美術のマーケットが小さいとのこと。この中から未来のコレクターが生まれることを願います。
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今回滞在したルンピニ公園近くを歩いていてふらっと入ったギャラリーにてプラープター・ユンの作品に遭遇。何と同じビルの4階に彼のオフィスがあり、先月このギャラリーで個展を開催したのだとのこと。ちょうど日本から帰国したばかりの本人とも再会でき、偶然の繋がりに驚くばかりでした。
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