「トロッコ」 [映画]
先日夏休みで帰省した際に、東京で見逃した「トロッコ」を京都シネマで見てきました。ちょうど上映初日の日だったので上映前に川口浩史監督の舞台挨拶も聞けてラッキーでした。さて映画の方は芥川龍之介の「トロッコ」を、現代の台湾の田舎に舞台を移して脚色したもので、死別した台湾人の夫の遺骨を義父母に届けるために、尾野真千子さん演じる妻が残された二人の男の子を連れて日本から訪れるという所から始まります。核となっているのは、母と子の愛情の擦れ違いですが、そこに戦時中日本語教育を受けた祖父母の世代の複雑な思いが絡み合い、只のファミリードラマに留まらない社会性を帯びた作品となっていました。(川口監督のお話しだと、台湾ロケでは候考賢氏の撮影チームの全面協力を得たそうですが、その際台湾人スタッフ側から出た意見も交えかなりディープなディスカッションが行なわれたそうです。)口やかましいオカンを演じた尾野真千子さんと長男役の男の子の演技も上手かったし、何よりもう日本では見られないような夏の田舎の風景が、何だかとても懐かしく感じられた映画でした。
「トロッコ」公式サイト:http://www.torocco-movie.com/
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