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タイ出張記(チェンマイ-パイ編) [海外出張記]

昨日タイより戻ってきました。今回の出張の主目的は、バンコクの Tang Contemporary Art で開催中のカミンの個展「...Wrong Place」レセプションパーティーの立ち合いでしたが、先に入ったチェンマイ滞在中に件のデモ隊の爆弾騒ぎがあったりと一時はパーティーの開催も危ぶまれる事態に…。それでも何とかつつがなくレセプションは開催され、一昨年末の様に空港も封鎖されることもなく無事帰国することができました。現地ではサイアム近辺の道路がバリケードで封鎖されていたり、シーロム通りでは銃を手にした兵士があちこちに立っていたりと緊迫したムードも漂っていましたが、それ以外の場所では人々は普段通りに過ごしている様子で、スクンビットにある高級デパートエンポリアムは大勢の買い物客で賑わっていました。バンコクの前に滞在したチェンマイは騒乱の気配もなく平和そのもの。カミンと北部の山村パイに小旅行をしたり、一足早い夏休み気分を味わう事もできました。その模様は続きにて。

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チェンマイではカミンのスタジオに滞在。前回来た時はまだ窓も入ってなかったけど、今では電気も水道も完備され快適に過ごせました。













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軒先に置かれた巨大なブロンズ像。これは昨春roomで展示した「Beyond...」のブロンズ連作を拡大したもので、「誕生」「老い」「病気」「死」の4体中の「病気」。権力や欲望など人を死に追い込む様々な要因が寓意的に表されています。
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室内の様子。ベッドに扇風機に壁にはカミンの作品。奥の丸い物体は、家具デザイナーUdom Udomsriananが以前開催されたカミンの個展のために製作した瞑想用シェルター。必要最低限なものしか置いてないのがカミンらしい。











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スタジオの横の敷地に目下建設中の「31st Century Museum of Contemporary Spirit - 31世紀こころの美術館」のプラットホーム。このプロジェクトは、2008年に金沢アートプラットホームにて行なった同名のプロジェクトを発展させたもので、空から見ると「31」の形に配置されたコンテナの中に、一般の人々が大切にしているモノをその想い出と共にアーカイブ化していく予定。
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スタジオ裏手にあるアトリエには、ジュンという若い陶芸作家が住み込み中。彼は昨年国際交流基金のJENESYS Programme の招へいにより滋賀県立陶芸の森のレジデンスに滞在。現在カミンのアシスタントとして働きながら自身の創作活動を行なっています。










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その後別の場所にあるブロンズ用のアトリエや鋳造所他を見学した後、カミンの運転する車で北部の町パイへ向けて出発。道の所々で火炎樹の鮮やかな赤が目に飛び込んできます。












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パイに近付くに連れ道はつづら折りの山道に。と、目の前にクリストカー出現。















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約3時間半程でパイに到着。カミンが以前家族と泊まったことがあるというリゾート施設に宿泊することに。シャワー完備のロッジが一泊500バーツ(約1,500円)という安さ!












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一休みした後、日の暮れかかった町を散策。パイはここ数年の間に急に発展したという観光地。オフシーズンということで町は閑散としていたけど、10〜12月のベストシーズンには世界中からやってくるバックパッカー達でごった返すのだそう。










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翌日は山の中にある温泉や象農園、中国系少数民族が住む村などを見学。森の中で入る温泉は格別だったけどお湯の温度が結構高く、二人とも10分程であえなくギブアップ。












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偶然この日は近くの4つの村が集まり10年振りという盛大なお祭りが開催された日。元カミンの教え子で、現在パイにてアクセサリーのショップを開いている女性の誘いで祭りを見に行く事に。着いてみると茶碗やコップを結びつけたカラフルな山車が並び、かしましい鳴りものの音に合わせて寺へ向かって出発するところ。皆さん既に相当出来上がってます。








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踊りながら寺へと行進。真ん中の花柄の服の女性がカミンの教え子のコーイさん。














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寺に到着すると境内を3周した後、食器や紙幣を付けた山車を奉納。この食器は寺のお坊さん達が使うのだそう。














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夜になると参道や境内で開かれる数々のアトラクション目当てに続々と人が集まり始めて大賑わいに。














こちらのステージでは歌謡ショー的なものが進行中。



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一番人気はこちらの特設ディスコステージ。ぐゎんぐゎんの大音響の音楽と煌めくミラーボールの中、憑かれた様に踊り狂う人々。中にはビキニ姿の女性も数名混じっていて、どうやらこれが男衆のお目当てらしい。「おいおい、寺の中でそんなことしててバチあたってもしらんでっ!」(心の中の突っ込みの声)










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そして誰もがほろ酔い気分で鼻歌なぞ歌いながら家路につく。何だか子供の頃に田舎で見たお祭りを思い出して懐かしくなりました。













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翌朝パイを後にし再び山道を越えチェンマイへ。ちょうどバンコクから到着したナムトンギャラリーのオーナーナムトンさんと合流して、郊外にある彫刻家タワチャイさんのスタジオを訪問。タワチャイさんは斜めに傾いた家具のシリーズなどユニークな立体作品を制作しているアーティストで、以前ARCUSのレジデンスプログラムで日本に滞在したこともあります。2年程前にバンコクからチェンマイへ移ってきたそうで、この自宅兼アトリエは自分で建てたのだそう。





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チェンマイ最後の晩は、以前大阪でHATENAというレストランを経営していたジャンくんが新たに開いたアートバーにお邪魔。この日はちょうどパーティーが開かれていて、リクリットさんやタイウィチットさん他チェンマイ在住の多くのクリエーターに会うことができました。









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店にあったランプが気に入ったのでジャンくんに聞いてみると、その作者がすぐ横に。Hernくんというドレッドヘアーが似合う若いデザイナーで、近くにある彼のショップまで案内してくれました。手作り風の素敵なお店で、横に停めてあったワゴン車は移動ギャラリーとして使っているとのこと。Bestto Boyというこちらのランプをゲット。








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再びジャンくんのバーへ。夜が更けるにつれ話題は今回のデモ騒ぎから政治の話へ。タイ語なので内容は良く分かりませんでしたが、次第に皆ヒートアップし激論が取り交わされました。












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コメント 2

Sue.

はじめまして、ジュンと一緒に
陶芸の森で制作しておりました。
ジュンがこのブログを教えてくれました。
Junなんです。そうなんです。ジャンと
聞えるのでしょうか。
タイの情勢が気になって、
彼のことも気になっていたので、
久しぶりに彼の姿が見れて、
先生のアシスタント風景も
見れて、嬉しかったです。
ありがとうございました。
by Sue. (2010-06-30 18:47) 

kiyo

Sue.さん今日は。ジュン君の名前の表記の件ご指摘ありがとうございました。早速訂正致しました。
実は現在、カミンはジュン君をアシスタントとして陶器を使った新しい作品の制作を進めていて、来年の完成を目処にこちらのギャラリーにてお披露目を予定しています。ジュン君は陶芸の森での滞在から多くの刺激を受けた様で、先のプロジェクトと平行して自身の作品も色々と作っていました。
チェンマイはとてもいい所ですので、機会がありましたらぜひ訪ねてみてください。
by kiyo (2010-07-01 12:42) 

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